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川内原発の一時停止について技術者倫理に基づく見解

原子力規制委員会において、川内原発の一時停止について技術に対して真摯に検討・議論することを求めるブログです

【重要】基準地震動と今回地震(前震)の実績について表にまとめました

基準地震動の話は、極めて分かりづらく、誤った解釈も流れているため、私なりに表にまとめてみました。

1.基準地震動の設定(NHKから引用)
川内原発の場合、まず、存在が分かっている活断層による地震の想定では、熊本地震震源とみられる布田川・日奈久断層帯を含めて検討が行われ、原発の南に20キロほど離れた断層(筆者注:市来および甑断層帯)を震源とする地震の影響が最も大きいとして、基準地震動を540ガルとしました。
ま た、存在が分かっていない活断層による地震の想定では、震源に近い観測点で比較的精度の高いデータが得られ、地質学的にもありうるケースの地震として、 2004年に起きた「北海道留萌支庁南部地震」の記録を基に最大の基準地震動を620ガルとして妥当とされました。「北海道留萌支庁南部地震」のケースで は、震源に近い地表の観測設備で1127ガルという揺れが記録され、地下の固い岩盤の表面での揺れは585ガルと推計されています。九州電力はこの評価結 果を参考に不確実性があることも踏まえて620ガルという値を導き出したとしています。

原子力規制委員長 川内原発の運転止める必要ない | NHKニュース

それぞれの断層帯の位置関係は、下記サイトに掲載されています。16番市来断層帯の少し上が、川内原発の位置です。

九州地域の活断層の地域評価 | 地震本部

2.今回地震(前震)の加速度の解釈
今回の地震(前震)により、益城町で記録された1580ガルという値(資料1)は、地表面の加速度です。原発の基準地震動を求める際には、地下の強固な地盤での揺れを想定するため、地表面の値より原則的に小さくなります。
そのため、基準地震動の比較をするためには、地表面の加速度を「地下の強固な地盤での揺れ」に換算する必要があります。大阪府立大の長沢啓行名誉教授が、その換算値を530ガルと計算しており(資料2)、表中に「震央での加速度(原発地盤換算値)」530ガルと示しています。(なお、この値に関しては、原子力規制委員会の公式見解ではありません。)
この530ガルが、もし今回の地震原発直下で起きたとしたときに、基準地震動620ガルと比べることが可能な値です。少なくともこの地震の規模であれば、基準地震動を超えてはいないことが分かります。

資料1
http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/nw-kumamoto160414/pdf/K-NET20160414.pdf

資料2
「再評価必要」「想定の範囲」 川内原発運転、識者の見解割れる - 西日本新聞

 

3.今すべき計算
現実に地震が発生した布田川・日奈久断層帯において、基準地震動算定の時に用いたモデルを用いて、今回の前震と同規模の地震が発生したとして再計算すると、川内原発での加速度・震央での加速度(地表面値・原発地盤想定値)はいくらになるのか。そして、その再計算値と前震実績値と比較し、前震実績>モデル再計算値となれば、このモデルは地震による加速度を過小評価していることになり、他の断層も含めて、モデルの信頼性が失われます。すなわち、原発直近の市来・甑断層帯において、想定している加速度より大きな地震が起こる可能性が否定できなくなるということです。その結果、基準地震動を上回る地震が、市来・甑断層帯において想定されるならば、再稼働の根拠は崩れます。
極めて迅速にこの計算を行わなければならない。
皆さま、コールセンター(03-5114-2190)はじめ、各所への連絡をお願いします。

 

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